宝物 番外編付き
何度かくるみを訪ねてきてくれた丸川弁護士。

「くるみちゃん。腕はどう?大丈夫かい? 
佐山家のみなさんが全てサキさんを送ってくれたよ。
くるみちゃん。サキさんからも頼まれてるし、事故の事など法律の事は俺に任せてね。
ゆっくり、心も体も休んでも良いんだよ。」

「正人さん。本当にありがとうございます。
あの事故の日もお婆ちゃんと冗談言いながら、正人さんに全て任せてるって言われたんです」

「そうだったのかぁ。 
くるみちゃん。実はね…
サキさんは、膵臓がんだったんだよ。
余命1年だって言って…俺の所にみえたんだ。」

「え! お婆ちゃんから何も聞いてません!」

「くるみちゃんが、彼と付き合う事になったばかりの頃だったなぁ。
サキさんさ〜、嬉しそうにさ、
"くるみには満面の笑顔で結婚して欲しいからまだ、言わないのよ!"って言ってたんだ。」

「ゔ〜… お婆ちゃんのバカ! ゔ〜」

「くるみちゃんの事を、本当に大切に思っていたからなぁ。 
メロンパンをさ〜 
30個も事務所に持って来てさ〜

"正人君、これはワイロよ!"って言うんだぜ! ククク。
俺は、メロンパン30個でくるみちゃんに内緒にする約束をさせられたんだわ。」

「本当に、お婆ちゃんらしい…」
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