宝物 番外編付き
12月10日まで
やっぱり、10億……かぁ。
亜矢ちゃんとの電話から数日後、私は金曜日に退院することになった。

お義母さんとタクシーで佐山家へ。
蓮さんの実家。社長宅だ。

「くるみちゃん、蓮の部屋に案内するね。」

2階の右側全部が蓮さんの部屋だった。
キングサイズのベッドが窓側にあり、壁一面がクローゼットになっていて、

ベッドの横に、パソコンと仕事机があるスペース。

ソファーとテーブルにTVがあり、お義母さんが ドアを開けるとバスルームがあった。

「蓮とくるみちゃんはここのバスルームを使ってね。
クローゼットは…この扉はくるみちゃんスペースね!
お洋服が足りなければ、蓮のマンションから持ってくるといいわね。」


「はい。会社も週明けに辞表と菓子折りを持って行くついでにでも持って来ます」

「その日は、私も付き添いで行くからね。たまには社長室のコーヒーでも飲みに行くわ! ふふふ。」


「じゃあ、一緒にお願いします。
それと…、丸川弁護士さんに会うのが水曜日なんですが、正人さんが迎えに来て弁護士事務所まで行ってきます。」

「うん。わかった。
それは、くるみちゃん1人の方がいいわね。相続とか事故の事だもんね。」


「はい。両親のと、お爺ちゃん、お婆ちゃんの分とその他にも諸々あると聞いてるんで……遅くなるかもしれません。」


「うん。水曜日ね!」
和子は携帯のアプリに予定を打ち込んだ。

「くるみちゃん、私は、下へ降りるね。みわお婆ちゃんを呼んで、お茶にしましょう。」

「は〜い。じゃあ、少し片付けてから下に行きますね!」

「うん。わかったわ。ゆっくりで良いからね」
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