宝物 番外編付き
「くるみちゃん、今、ちょっと良い?」

「はい。」

「この前言ってた不動産屋から今連絡きてさ、マンション買い手がついたよ!

それで、急なんだけど買い主さんの入居を急いでるから、すぐに手続きしたいんだって。
物凄く申し訳ないけど、これから不動産屋さんへ行ける?どう?」

「はい。今、ちょうど外出中なのでいけますよ〜。用事たしてたから…
1時間後には用事が終わるのでそれからなら」

「助かるわ〜。迎えに行こうか?」

「いいえ、電車の方が早そう。」

「以前、メールで依頼した不動産屋さんのホームページを送ったから、場所はわかるかな?」

「はい!わかります。」

「オレも不動産屋さんに行くわ。
担当は、榎田さん〈えのきだ〉だから!」

「はい。でも正人さんに必要な書類がないなら私1人で大丈夫ですけど…」

「う〜ん。そうしてもらえると助かるけど必要な書類があるんだよな〜
ウチの事務員さんを行かせるけど、いいかなあ。女性だし!本山さんだから!」

「はい。じゃあ、不動産屋さんの入口でお願いします。
11時半の待ち合わせにして下さい。」

「わかった。よろしくね!
書類整ったらくるみちゃんの口座に入金になるからね。」

「はい。ありがとうございます!」


ハァ〜、逃げようと思ってるのに…
マンションのお金が入ったら今後の生活には安心できるから、
ま、いいか!」
< 286 / 435 >

この作品をシェア

pagetop