宝物 番外編付き
テーブルの上に手紙と、スケッチブックとくるみの婚約指輪そして…

通帳と印鑑が置いてあった……

蓮は、恐る恐る震える手で…

手紙を読んだ


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蓮さんへ

研修なのにすみません。

実は、退院する少し前に 昭和銀行頭取の娘さんで 高木 麗花さんと谷口秘書さんが、病室に来ました。

2人の話しでは、麗花さんと蓮さんが結婚したら、昭和銀行から10億の融資が叶うと言われました。

蓮さんがどうしても今後のサヤマの為にも
大成功させたいプロジェクト。

目をキラキラさせて野菜工場の話しをしてくれましたよね!


以前、もし缶詰工場の資金調達が出来なければサヤマは倒産かもと言ってましたよね。

そんな事は絶対にして欲しくないんです。

私は、佐山家のみなさんに本当に助けていただき、ご恩をお返しするなら今だと思いました。

ここに、私の両親とお爺ちゃんが残してくれた遺産があります。

工場の足しにでも使って下さい。

お爺さま、お婆さま、お義父さん、お義母さん、本当に本当に嘘ついてゴメンなさい。
蓮さん、愛してます。
でももう私の事は忘れて下さい。

麗花さんと結婚して、トマトの野菜工場と缶詰工場を大きく大発展して下さいね!

大変お世話になりました。


大好きな蓮さんへ

           くるみ


蓮は、手紙をグシャっと握り怒りが込み上げてきた。
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