宝物 番外編付き
「くるみ、どこが痛い?深呼吸!深呼吸!」

「ふ〜、すぅ〜、ふ〜ゔ、痛いよ〜」

「ナースコールするぞ?」 ビー

「はい。どうなさいました?」

「あの、妻が凄く痛がってます!」

「はい。伺いますね!」

何とあっという間に子宮口が全開に……
看護師がナースコールで他の看護師に連絡し、
すぐにくるみは分娩室へ入る。

休憩室のお爺さま、お婆さま、お義母さんもビックリしていた。

蓮さんも立ち合いするので、一緒に中へ。

「佐山さん、赤ちゃんの頭が見えてるからヒーヒーフーするよ! はい!ヒーヒー
フー! はい いきんで! もう少し。
はい 呼吸を整えて、もう一度!

はい! ヒーヒー フー!! いきんで!! もう少しだよ! 」

「オギャー! オギャー!」

「おめでとうございます。男の子です!」

「はい、ママ〜、ぼくちゃんでしたよ〜」

と言って、くるみの胸に乗せてくれた。

くるみも赤ちゃんをみて涙が出てきた。

赤ちゃんはタオルにくるんでから、
「はい、パパさん、抱っこしてね!」

蓮さんは泣きながら、恐る恐る抱っこする

「産まれきてくれてありがとう。パパだよよく、頑張ったな。
くるみもありがとう!」

「では、赤ちゃんを綺麗にして検査もしますね! 
パパさんは廊下でお待ち下さい。」

「ハイ。」

廊下にいた喜三郎、みわ、和子。

「男の子だったよ! くるみも無事!」


「「おめでとう」」

「名前は?」とお爺様。

「佐山 葵〈あおい〉」

「あおいくんね! ステキな名前ね!」とニコニコ顔のお婆様

和子は、泣きながら
「お父さんに電話しなきゃ!!
お父さん! 産まれた〜うん。うん。
そう、男の子…くるみちゃんも無事だよ〜
うん。あおい君だよ。うん。わかった…」ピッ!

「お父さんさんが、蓮とくるみちゃんにおめでとうって伝えてって……良かった。」


佐山家に男の子誕生!! 佐山 葵くん
< 429 / 435 >

この作品をシェア

pagetop