宝物 番外編付き
私は、帰って来てから、五月ちゃんへ早速電話した。

「ちょっと!五月ちゃん!水臭いよ!」

「何?何?」

「今日、山田家へ遊びに行ったら、隼人くんの恋人役やってるかもって聞いたから、直接電話したの!」

「え? おばさんから?何で知ってんの?」

「母親は、何でも知ってるんだよ〜!!」

「まぁ、話せば長くなるんだけど、
お互い、しつこいストーカーみたいのがいるのよ〜。
私は、ブライダルに出入りしてる花屋さんの社員で〜、隼人さんは取引先の社長令嬢?

みたいで〜たまたま駅前のコーヒー店で私が、その花屋の事を愚痴ったの…
そしたらさ〜、その花屋はその日も私をつけてたみたいで〜
私と隼人さんが同じ方向へ歩いてくから、呼び止められてさ。
隼人さんが機転きかせて恋人だって言ってくれて、
これ以上しつこいと、会社にも警察にも連絡する!って言ったらさ〜
それからしばらくして、花屋を辞めたみたい。」

「美人やイケメンは大変なのね〜!
私なんか何にもなかったもん!
でも、大丈夫なの?ストーカー?」

「うん。それ以来、時々隼人さんと駅前で待ち合わせて帰ってる。
偽装恋人? 隼人さんも今はフリーだから彼女を気にしなくてもいいし、
ストーカーの令嬢に対処の集中してるかな?」

「2人とも、気をつけてよ〜」

「うん! 大丈夫だって〜!!」
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