宝物 番外編付き
「え? 何?」
「あのさ〜、俺、好きな人がいるんだわ…」
「え? 彼女できたの?」
「イヤ…、 最初っから説明するわ…ハァ〜
実は…… 〜〜…… で、爺ちゃんにずぅーと協力してもらってさ、
昨日、やっとチャンスが来て結婚を前提で告白したんだわ。」
「え〜!! 亡くなられた村田専務さんのお孫さん?
くるみちゃんでしょう?
蓮が、一目惚れ……7年間も…
だから誰ともお付き合いしなかったの?」
「あぁ。
栗原さんと絶対に結婚しようと思ってるから!」
「そう。 わかったわ。 だから、お父さんにはよそからの縁談話は断って欲しいと伝えたかったのね?」
「そう! 政略結婚なんかしなくても、
会社を潰さないような経営してみせるからさ。」
「お母さんは、どうすれば良い?
くるみちゃんからの返事もまだだし〜」
「母さんは、今まで通りでいいよ。
もし、父さんが縁談話について母さんに話してきたら、俺に連絡してよ。」
「うん。わかった。
でも、お父さんが私に話しをする時は、ある程度決定してると思うよ?」
「それでも、何も知らないよりマシだからさ」
「うん。 わかったわ。
くるみちゃんがOKしてくれるようにお母さんも願ってるよ。頑張って! ふふふ」
「うん。ありがとう母さん。じゃあ、俺、帰るわ。」
「お父さんも遅くなるからウチでご飯食べてく?」
「う〜ん じゃあ、母さんイタリアンでも食べに行く?」
「え! いいの? 行きたい!
着替えてくるから、待ってて。」
「あぁ。」
蓮は、久しぶりに母親と外食をした。
和子は、とても嬉しそうにしていた。