宝物 番外編付き
月曜日は、午前中から営業回りがあった。
この1ヶ月は、今後片山文具からサヤマへの移行の発注方法などの説明で、クライアントの会社回りをしている。
部下と一緒の事もあるが、今日はたまたま菊池と連んでいる滝本 真也と回った。

クライアントへの説明も終え、帰社する営業車内で、
「主任、俺はサヤマに移動したらやっぱり営業ですよね〜」

「多分そうだと思うけど、違う部署が良いのか?」

「いいえ。 営業先も変わるだろうし不安っていうか……」

「滝本、もしサヤマに新しい部門ができるとしたら、どんな部門のどんな仕事がしたい?」

「え! 文房具の会社で? ………ん……
専門学校?とか… デザインの学校はたくさんあるから、農業とか?
あと、地方の田舎は若者がいなくて農業を辞めるお年寄りが多いから農業作業員の派遣業とか? 
ハハハ!
うちの爺ちゃんの話しなんですけどね〜」

「良いアイディアだなぁ。もし、サヤマで異業種の企画コンペがあれば、企画書出せよ」

「オレっすか〜。 
俺は、出世より楽しい毎日がいいから企画は出さないかなぁ〜」

「じゃあ、その企画案、オレにくれよ。」

「いいッスよ〜。 ハハハ」
< 60 / 435 >

この作品をシェア

pagetop