宝物 番外編付き
「どれどれ〜。 そうだなぁ、これが限度だよな〜」
「この色以外で、1パターン作ったのがコレです。」
「ん? …… じゃあ、指定色の淡いこの2つと違うこの1つを持っていって、提案してみるな」
「はい。よろしくお願いします」
坂田主任が、私の顔をじー っと見ている。
くるみは、?? と思っていると、
「あ、ゴメン。じゃあこれで…OK」
くるみは、ペコリと頭を下げて席に戻った。
今日も残業は無さそうだし、そろそろ就業時間なので自分のカップを洗いに席を立った。
小野さんもカップを持って立ち上がったのでくるみは小野さんのも一緒に洗おうと声を掛けた。
「小野さん、私が洗いますよ。」
「そう? じゃあお願い。」
くるみは、室長や工藤さん、主任のデスクにも回り、洗う物を回収してから給湯室へ向かった。