宝物 番外編付き
蓮が会計を終えて、外へ出るとくるみが電話中だった。
くるみにそーっと近づき電話の声を聞く。
"待ってる!"が かろうじて聞こえた。
蓮は、心の中で、ガッツポーズをした。


くるみが携帯を切ると、すぐ横に主任がいてビックリした。

「わぁ! ビックリした〜。」

「お婆ちゃんは、OKみたいだな!タクシーで行こう! 
あ! 待って! 
お婆ちゃんは洋菓子と和菓子 どっちが好き?」

「何でも好きですよ〜。手土産なんか要りませんよ?」

「イヤ! 最初の印象は大事だからな!あ、あそこのタルトは有名だよな?
先ず、タルトを買おう! くるみ、行くぞ!」

と言って、私の手を握り洋菓子店へ向かう

「あの〜……主任。 その…手…」

「俺は、恋人とは手を繋ぎたいと思ってるからくるみは、諦めて。
それから、2人の時はタメ口な!
あと〜、俺の事は呼び捨てにしてよ。な?」

「呼び捨て〜。ムリです。いきなりタメ口とか呼び捨ては…少しずつでお願いします…
特に呼び捨てはムリなので、蓮さんにします…」

「くるみ、もう1回俺の名前 言ってみて!」

「蓮…さ…ん?」

「お〜! 最高だなぁ。」

「あ、くるみ、
明日は協力してくれた爺ちゃんにお礼しに、一緒に行って会ってもらえないかなぁ〜」

「はい。わかりました。お願いします。」

「ありがとう。」

洋菓子店で、果物がたっぷり入ったタルトを買い
タクシーでマンションへ向かった。
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