宝物 番外編付き
「そう。 
くるみは会社でも頑張ってる?」

「はい。 はっきり言って片山文具は俺が入社した頃は利益も少なくて経営難でした。
でも、くるみさんがデザインした《フワフワちゃん》が大ヒットして何とか持ち堪えたのですが、
結果的にはサヤマが吸収というカタチになりました…
来月には片山文具は 無くなります。」

「そう。やっぱり文房具は……」

「はい。村田さんが専務の頃からおっしゃってたようにサヤマも……
まぁ、会長としては私が副社長になって親父としっかり会社を発展させて欲しいと思っていると思います。」

「そうだ、お婆ちゃん。明日なんだけど…
蓮さんとお礼をしに会長さんのおウチへ行く事になったから」

 「そう! くるみ、愛のキューピットになって下さった会長さんには、きちんとご挨拶するのよ!」

「ハハハ! 愛のキューピット…ハハハ!
爺ちゃんは、くるみさんの事を小さな頃から気に入ってますから!」

「そうね〜.。幼稚園の頃なんか会長室でくるみのおママごとの相手役は会長さんだったわね〜。ふふふ。
いつもたくさん文房具のお土産持って帰って来たのを思い出すわ〜」

「えー! 全然覚えて無いよ!」

「俺なんか、専務室で村田のおじさんと爺ちゃんと3人でチャンバラごっこしたぞ!
ハハハ! うるさいから親父に怒られてさ〜 」


私が覚えて無いお爺ちゃんの思い出話しにお婆ちゃんも楽しそうに笑っていた。
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