宝物 番外編付き
「くるみ! おはよう。今日はよろしくな!」

「蓮さん、おはようございます!
緊張してますのでよろしくお願いします」

「さあ、乗って」

「はい。………お邪魔します……」

蓮が運転席に回り込んで、車は出発した。

「ん? 美味しそうな匂いがする!」

「はい。 会長さんへの手土産はお婆ちゃんのメロンパンにしました。
今朝、お婆ちゃんが作った焼きたてです。」

「爺ちゃんも婆ちゃんも喜ぶと思う。俺も食べたいもん!」

「蓮さん、実はお婆ちゃんは出かけたんですが、夕飯もお友達と食べてくるから…
あの、もし蓮さんの予定が無ければ一緒に夕飯を食べに行きませんか?」

「マジで!いいの?ん〜 くるみ、ワガママ言っても良いかなぁ〜?」

「ワガママ? って…」

「うん。 オレのマンションでさ〜くるみに料理を作って欲しいなぁ〜。ダメ?」

「え? 私の手料理ですか?
大したものは作れませんよ……」

「オレさ〜肉とか洋食が続いたから和食が食べたんだ! 
ホッケの焼き魚に大根おろしをたっぷり添えて欲しい!
あとは、任せる〜」

「ふふふ。 わかりました。ホッケですね!炊き込みご飯は好きですか?」

「好き!」

「ふふふ。じゃあスーパーに寄ってから蓮さんのお宅にお邪魔しますね!」

「ヤッタ!」

「お口に合うといいんですが…」
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