地下一階の小宇宙〜店主(仮)と厄介な人達
「 …断れよ 無理だろ、見るからに」
「お断りしたけど、断りきれなくて…
ナースステーションにお裾分けしようと思ったんだけど、受け取れないみたいで…。
あ、そうだ!
あの、これ少し持って帰らない?」
ナイスアイデアと言わんばかりの期待に満ちた瞳で見上げる。
「 いらね 」
「え… そっか。 どうしよう」
またしゃがみ込んで、なんとかトートバッグに全部入らないだろうかと試しているが、どうやっても無理なものは無理なのだ。
「 …はぁ、
その刺さってる缶詰2個抜け!
で、このりんご入れて、 お前はこれとこれ持っとけ。
財布とスマホはポケット入れろ。
俺がこのバッグの方を商店街のお前の自転車のとこまで運んでやるから!
ほら、貸せ! 」
上手く反応出来ないでいる佳乃の両手に一個ずつ缶詰を握らせ、上着のポケットにスマホと財布を乱暴に突っ込んだ。
海星はさっきの"そのさん"の大きなバッグより2割増で重いトートバッグを肩に掛け、マウンテンバイクの方へ足を進めた。
「え… あの! なんで…? 」
両手に缶詰を握ったまま、訳がわからないと言う表情で狼狽えている。
海星は自転車に跨りながらチラリとそちらを見やって、前を見据えた。
「別に。
今もさっきもたまたま行く方向同じだったから。
じゃあな。」
ペダルにかけた足にグイと力を込める。
「っえ!ちょっと! ありがとう!!
…っあなた名前はっ?!」
その問いかけには答えず、ただ右手をヒョイと小さく上げて、あっという間に距離を広げて行った。
「お断りしたけど、断りきれなくて…
ナースステーションにお裾分けしようと思ったんだけど、受け取れないみたいで…。
あ、そうだ!
あの、これ少し持って帰らない?」
ナイスアイデアと言わんばかりの期待に満ちた瞳で見上げる。
「 いらね 」
「え… そっか。 どうしよう」
またしゃがみ込んで、なんとかトートバッグに全部入らないだろうかと試しているが、どうやっても無理なものは無理なのだ。
「 …はぁ、
その刺さってる缶詰2個抜け!
で、このりんご入れて、 お前はこれとこれ持っとけ。
財布とスマホはポケット入れろ。
俺がこのバッグの方を商店街のお前の自転車のとこまで運んでやるから!
ほら、貸せ! 」
上手く反応出来ないでいる佳乃の両手に一個ずつ缶詰を握らせ、上着のポケットにスマホと財布を乱暴に突っ込んだ。
海星はさっきの"そのさん"の大きなバッグより2割増で重いトートバッグを肩に掛け、マウンテンバイクの方へ足を進めた。
「え… あの! なんで…? 」
両手に缶詰を握ったまま、訳がわからないと言う表情で狼狽えている。
海星は自転車に跨りながらチラリとそちらを見やって、前を見据えた。
「別に。
今もさっきもたまたま行く方向同じだったから。
じゃあな。」
ペダルにかけた足にグイと力を込める。
「っえ!ちょっと! ありがとう!!
…っあなた名前はっ?!」
その問いかけには答えず、ただ右手をヒョイと小さく上げて、あっという間に距離を広げて行った。