悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
教会に行って、修道女になるのが普通なのだろうけれど、どうせ追放されるとわかって、準備時間があるのだから違うことをしたい。
うーん……。
リオの記憶の中にある職業は――、メイド、宿屋、料理人、薬師……色々あるわね。
あとは、馬車の行者や屋敷の警備、どれもしっくり来ない。
身近なのはメイドだけれど、メイドになる為の仕事なんて、家で教えて貰えるはずもない。
そんなことをしたら、お父様やお母様に怪しまれてしまう。
それなら――。
「どうせ追放されるなら、冒険者にでもなって旅に出るのもありね!」
冒険者なら仲間も作れるし、収入にもなる。
それに、わたくしは護身術を習っているから、剣や弓を学びたいと言っても怪しまれないだろう。
うん、これなら出来そうだ。
記憶の中の物語通りに進めながら、護身術の稽古の時間に剣や弓を学ぶ――。
いいかもしれない。
そう思ったわたくしは、すぐにお父様の元に行き、お願いをした。