悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
他の来客者の箱は六角形に対し、サラ様の前に置かれたのは一回り小さな四角形の箱。
どう見ても1人だけ少ないことは明らかだ。
――よし、物語通り。
「それは……」
“あなたは男爵令嬢なのだから、そのくらいの大きさがお似合いですわ”と言おうとしたわたくしだったけれど、わたくしよりもサラ様が先に言葉を出した。
「実は、今日体調があまり良くなくて……隠しているつもりだったのですけれど……。
きっと、それを察したレティシア様がわたくしのだけ、負担にならないようにしてくださったのだと思います……ありがとうございますレティシア様」
体調が悪い?そんなこと聞いていないけど?
まさか、わたくしの立場を気にしてフォローしたとか?
「い、いえ……無理して来ていただいたので、負担にならなければと思いまして……」
「まぁ!そうなのですね。体調にまで気づくことが出来るなんてレティシア様は女性の憧れですわ」