悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
本来なら、ここで他の上位貴族の令嬢達がわたくしの意見に同調して、サラ様に気まずい思いをさせる流れだったはず……だ。
たしかに、今の流れはわたくしに皆さんが同調している。
だけどそれは、サラ様を貶める内容ではなく、わたくしを絶賛する内容。
またこのイベントも、今のタイミングでは無かったのだろうか。
リオの記憶では、何が起こるかは分かるけれどそれが何時なのかまでは明確ではない。
きっとそのせい……?
サラ様を孤立させるお茶会は、わたくしを称える話に変わって終わった。
まぁ……、本人がいる手前、その称える話はほとんどが社交辞令だろうけれど。
周りに持ち上げられるなんて、とても悪役令嬢っぽい。
これはこれで、断罪に近づくだろうからある意味よかったのかもしれない。
きっと、あの物語のお茶会はその時になれば勝手にやってくるのだろう。
わたくしはそう思うことにした。