悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
これも、断罪される者の使命なのだろうか。
パーティーでドレスが被るなんて本来は無い。
流行があるから似ていることはあっても、色が違ったり、自分に合う色を取り入れるからだ。
今回はわたくしの誕生日パーティーだから、1番目立つようにしている。そんなところも悪役令嬢らしいと思うけれど……。
でも、断罪されるなら、その後はサラ様とトーマ様の婚約パーティーに変わるだろうから、主役はサラ様になる。
それなら、同じドレスになっても真似したのはわたくしという事になってしまう。
私のデザインがサラ様に似合うとは思えないけれど、そこは王宮のデザイナーが手を加えれば問題ない。
全て悪いのはわたくし――という事になり、断罪されるにはピッタリだ。
たくさんの貴族が集まるパーティーで断罪されるのは辛いけれど、そのあと冒険者になるのだから気にしなければいい。
「ティ……レティ?ぼうっとしてどうしたの?具合悪い?」