悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
でもきっとお父様が言っているのは、結婚してもいつでも帰ってこいと言う意味だろう。
わたくしの捉えている意味とはきっと違う。
そんな会話をしているうちに、王宮に着いてしまった。家からそんなに遠い訳では無いから仕方が無いのだけれど……。
お父様とお母様は先に会場に入り、主役であるわたくしは1番最後に入ることになっている。
そのため、王宮に入ったら別行動となった。わたくしは王宮のメイドに会場近くの控え室に案内され、中で待つように言われる。
「ついに、来てしまったわね……」
メイドが出て1人になったのを確認してから、そう声に出した。実感が湧いてくる。
わたくしは今日で貴族を辞め、冒険者になる。
まずはどこの国に行こうか……。
不安になっているより楽しいことを考えようと、今後のことを想像する。
まずは、冒険者登録をしなくていけない。