悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
どこでも出来るけれど、パーティーの後だとこの国では登録することが出来ないはずだ。
まずは隣国で登録してみようか?
1度登録してしまえば、あとはどこでも使えて共通のものだったはず。だから他の国でも使える。
冒険者になることを考えて少しワクワクしていると部屋をノックする音がした。
――どちら様?たしか、リオの記憶の中の物語では、主役だから1番最後に入って欲しいと言われていた為、この部屋にだれかが来ることなんて無かったはずだ。たぶん……。
もしかして、もう出番が来たのかしら?
そう思いながら、扉の向こうにいる人に向かって返事をした。
「どうぞ」
もう出番なら、気を引き締めておかないといけない。そう思って頭の中を整理し、凛とした声を出す。
ガチャっと音を立てて開いた扉に目を向けると、そこにはありえない人が立っていた。
――どうして?既に会場に入っているはずでは?