私の推しが推しじゃなくなった件
脱衣場から出ると、大宮くんがベッドに腰かけていた。


「ちゃんと温まったか?」

『うん。』

「ちゃんと肩まで浸かったか?」

『うん。』

「それならよし。じゃあ、こっちに来て。」


ん?なんでだろう??


満里奈はそんなことを考えながらベッドに腰かけると、誠が満里奈の髪を乾かし始めた。


『!!!』


私…元推しに髪を乾かしてもらってる!!?

なんて贅沢な!!!

元推しだけども!!!


満里奈はそんなことを考えながら幸せに浸っていた。


誰かに髪を乾かしてもらうなんて子どもの時以来無いな…


「よし。乾いた。」

『服も髪も乾かしてくれてありがとう。』

「いや、全部俺が悪いから…。」


昨日のキャラとは裏腹に申し訳なさそうに謝る誠。

そんな誠を見て満里奈はなんだか可愛いなと感じていた。


気づいたときには


『そんなに謝らなくていいよ。』


誠の頭を撫でていた。

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