同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~

6.向坂陽輝

「かわいい。もっとこっち向いて。」

上気した頬と潤んだ瞳。
普段は美人で綺麗な奈桜が、俺の下ではこんなにかわいい表情でかわいい声をあげる。

やっと…手に入れた。

3年前に一度抱いた時もやっとって思ったけど…そのあと撃沈したし…

けど今は…もう俺だけを見てくれてるって知ってて抱いてる…

しかも…3年間ってことは…やっぱり初めて抱いた時も…

うれしすぎて…ずっとこうしてたい…

「陽輝…す…き…」

何度か奈桜を昇天させたあと、俺が最後のひとつきをする瞬間にそんなこと言うもんだから…俺の感情はマックスに高ぶって…
もう…ほんとにヤバイ。

「奈桜…」

俺もフィニッシュして奈桜をギュッと抱きしめた。

「このまま動きたくないわ…俺」

そして奈桜の胸元にひとつ赤い花を咲かせる。

「やだ。あんまり見ないでよね。」

「何が?」

「胸…ちっちゃいんだから…」

「は?俺でかい胸嫌いだし…こんくらいのがちょうどいい。」

「ウソ…」

「ってか…奈桜だったらなんでもいい。」

「もう。バカ…」

そして赤くなって視線をそらす奈桜がかわいい。

「こんなんだったら、3年前にちゃんと告っとくんだった…」

俺はしぶしぶ奈桜の中から出て、傍に横になった。

「それは…」

「だいたいおまえが友達とかいうからだな…」

「だって…陽輝が女と真剣に付き合う気ないっていうし…陽輝の前では女になったら終わりだって…思ってたし…」

「え?それで友達って言ったの?」

「だって、友達としてでもそばにいたかったし…女になって捨てられるくらいなら…って…」

それってじゃあ…結局…俺が悪いってことか…?

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