同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
Ⅳ.幸せが続きますように…

7.高柳奈桜

『幸せ…』

今まで生きてきた27年間でこの言葉をかみしめたのは今がはじめてだ。

好きな人のことを考えることの幸せ…
毎日見かけることの幸せ…
週末になれば、常にとなりにいること、そして触れられることの幸せ…
好きな人の笑顔が見れることの幸せ…
わたしの笑顔を見て喜んでくれることの幸せ…

今までのカレシにこんな思いを感じたことはなかった。

陽輝と付き合いだして1か月が経った。

今まで友達として必死にそばにいれるようがんばっていたわたしだったけれど、今はもう、そんな気遣いはしなくても、ずっと彼女としてそばにいれる…。
毎週末仕事の時以外はわたしたちは一緒にすごした。

デートに行くときもあったけど、一緒に食材や日用品の買い物にでかけて、そのまま一緒にごはんをつくって家のなかで一緒に過ごすことが多い。

今日も一緒にご飯を作っていた。

「なぁ。これめちゃくちゃうまいぞ。」

陽輝は実際、料理の才能があると思う。
一緒にレシピ本を見ながらつくるのだけれど、陽輝がつくるとよりいっそう味が際立っておいしくなる。

今日も秋口になっていたので、シチューを作っていたのだが、陽輝が何をしたのか、ものすごくコクがでておいしくなっている。


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