同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~

8.向坂陽輝

「陽輝。さいっこーだよ。コレ。」

バカみたいにハイテンションな奈桜を恨めしそうに見てる俺がいる。

「陽輝。こういうの苦手って笑っちゃう。」

ここは、某、大阪のハリウッド映画パーク。

絶叫マシンの上で吐きそうになって顔面蒼白な俺と、横でケタケタ笑ってる奈桜。

「あー。苦手だよ。なんで回転とかして落ちないのか意味わかんねーし。無理。」

しばらく、ベンチに座って死にそうになってたら、奈桜は俺に冷えたコーラを買ってきてくれた。

「ほら、飲みなよ。」

死にそうな俺の横に座って、奈桜も何やら飲み物を飲んでる。

「ね、次はあれ行こう。」

また絶叫マシン系か?と思ったけど…そうじゃないやつで…
俺に気使ってんだな…奈桜…

「お前乗りたきゃ乗ってこいよ。俺待ってるよ。ここで。」

「やだし…陽輝ときた旅行なんだし…絶対やだ。一緒にいる。」

奈桜…

思わず公共の場であることを忘れて…奈桜を抱きしめてキスしてしまった。

「ちょ…子どもたちいるって…」

「ごめん。けど、嬉しすぎて我慢できねー。」

まわりは一瞬ザワッとしたけど、知らねーし。


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