同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
しばらくぼーっとしていたら、インターホンが鳴った。

水沢くん?かな。

『はい。そっち降りるから待ってて。』

モニターにうつってるのはやっぱり水沢くんだったし、それだけ言うと、わたしは下に降りた。

下に降りると水沢くんがまぁそりゃ私服着たらさらにイケメン度が増すし、目立つし、こんなとこつったって話してて大丈夫かって思うほどだけど、家にいれるわけにはいかないので、わたしは歩きはじめた。

「とりあえず寒いから、駅前にファストフードあるし行こう。」

「待ってください。駅前なんて遠いじゃないっすか。車乗ってください。いいです。そんな時間かからないので。車の中で話は済みます。」

「え?」

思わず及び腰になる。

たぶん、眉と眉の間も寄ってたんじゃないかって思う。

そしたら水沢くんがクスクスと笑った。

「俺もしかしてめちゃくちゃ警戒されてます?」

あ、いや…そういうわけじゃ…

「大丈夫っすよ。襲ったりしません。そのへんは仮にもそれなりに有名人だった人間としてはわきまえてますから。」

で…
車の助手席に乗り込んだ。

どうやら、外国の車らしい。
このエンブレムは有名な会社のものだ。

水沢くんは運転席に深く座ると、話しはじめた。

「昨日、親父に話したんすよ。」

やっぱりその話か…

「そう…。」

軽く相槌を打つ。

「俺、実は5歳の時からキッズモデルしてるんすよ。おふくろがそういうの好きだったんで。」

「マジ?」

「はい。で、流れでそのままメンズ雑誌のモデルになって、まぁこのルックスですから、どこもひっぱりだこで当然そのまま戦隊シリーズでないかとかいろいろ話はあったんです。」

「戦隊シリーズ?!」

やっぱり結構すごいヤツじゃん。


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