同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
そしたら、何やら車の中に連れて行かれ、マネージャーと呼ばれる女性がちょっとばかし運転して、小料理屋に到着した俺たちは奥の個室に入った。

改めて座って一言。

「俺、お前と親しかった記憶ないけど?」

ムスッとしてるだろう。
そりゃそうだ。
こんなとこ急に連れてきて意味わからねぇ。

「すみません。けど、俺…向坂さんに…言っておきたいことがあったんです。」

料理が運ばれてきた。

「気にしないでください。この店。母親がやってる店なので。俺が食べるときはタダですから。」

え?あ、そうなの?
俳優だったり、
母親が小料理屋やってたり、
水沢建設の御曹司だったり…
忙しいやつ…

「奈桜さんのことです。」

「は?」

「俺、奈桜さんのこと好きです。」

「はあ?」

思わず、水沢をにらみつけた。

何だコイツ?突然。

俺の顔がかなり怖かったんだろう。水沢がくすっと笑った。

「そんなに怒らないでください。別にだからって奈桜さんが俺を好きなわけじゃないんで。」

「お前、突然俺を呼び止めてこんなとこ連れてきて、何言いたいんだよ。」


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