同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~

てことは…
もしかしたら奈桜も…?

いやいや…
そんなこと…
あるわけ…

「それだけ言っておきたくて…コソコソやりたくないんで…」

そう言った水沢は、やっぱりカッコよかった。

「あのさ…」

俺がなんか言わなきゃって思ってたときだった。
個室の扉がガラッと開いて、女将らしき女性が入ってきた。

「あらまあイケメンさんだこと。」

水沢とそっくりの派手な顔立ちの背の高い女性だった。
聞いてる話の通りだと水沢の母親ということになる。

「いつも時哉がお世話になってます。どうしようもない子ですけど…これからも仲良くしてくださいね。」

そしてしばらく俺たちが食べてる横でおしゃくをしながら話してくれた女将のおかげで…奈桜の話は終わってしまった。


「強引に連れてきてすみませんでした。」

店を出たら水沢が頭を下げた。

「別に…いいけど…」

そんな曖昧な返事をして俺は…タクシーを捕まえた。

「ごちそうさん。またな。」

それだけいうと、俺はサッサとタクシーに乗り、店を後にした。

水沢時哉…が…
奈桜のこと…

好きって…
言ったよな。

売れっ子役者か…

奈桜…
大丈夫だよな?
俺たち…


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