同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~


「これからもよろしくお願いします。」

5人で頭を下げて打ち合わせが終わったのは7時。

7月になったばかりでまだまだ外も明るく、まだ時間は早いのだと錯覚してしまう。

今日は金曜日。
来るかな?と思ってたら案の定、先方の担当者が「決起会しましょうか。」と言い出した。

そして近所のお店で先方からも重役さんが何人か来て飲みの席となる。

こういうとき本領を発揮するのが白川さんだ。
マキノのお偉い方も白川さんにかかればお手のものだった。

白川さんが先方の専務にめちゃくちゃ気に入られて宴会の席は幕を閉じた。

「もう一軒どうかね?」

そう言われたけれど、南部課長と向坂が丁重にお断りしていた。

「飲み直すか?」

マキノの人たちが去っていくと南部課長が言ったけど、

「あ、俺たち明日早いんで今日は帰らせてもらいます。な、高柳。」

と、向坂がわたしを見た。

え?わたし…明日早くからの用事なんてあったっけ?

「明日同期で出かけることになってるんですよ。すみません。」

は?そんな約束してた?

「そうか。まあいいよ。東京戻ってきて一週間、つかれただろうし、今日はゆっくり休めばいいんじゃないか?」

そしてポンッと向坂の肩をたたき、結局現地解散となった。

白川さんも加瀬も南部課長と同じ方向らしく、南部課長が2人を誘い、タクシーで帰って行った。

「じゃ…帰るか…。」


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