同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~


『美玖の店、今いるから来いよ。』

月曜日、帰ろうと会社から出たところで、陽輝からLINE。

『りょうかい。』

今日も相変わらず体調が思わしくない…
この週末は陽輝くのマンションで過ごしたけど、相変わらず眠たさとだるさみたいなのがとれず、陽輝も心配していた。

今日はホワイトデーだし、たぶんそれでだ。
会社でバレンタインにたくさんもらった子たちの分は大阪で買ってきていて、今日わたしていた。

わたしはバレンタインには結局ラム酒入りの大人味のトリュフを作ってあげた。
陽輝もわたしのだけは食べていたっけ…

最初はホワイトデーにはご飯行こうって言われていたけど、わたしの体調が思わしくないので、やめにしたのだ。
吉屋の和菓子をプレゼントしてくれるつもりなのだろう。

わたしはそのまま吉屋までトボトボと歩いて行った。

お店に入ってみたら…
いた…
奥の方で美玖さんと楽しそうに話している…

「いややわー。陽輝。それあかんやろー。」

そして、さりげなく陽輝を叩くような仕草を見せつつ身体にボディタッチして…そのまま手を離さない…
うわ…

「なにゆーてんねん。それがええんやろ?」

あ。また京都弁…
手を離さない美玖さんに抵抗しない陽輝…
そのまま腕組んでるみたいになってる…

なに…あれ…

そして…
先にわたしを見つけたのは美玖さんだった。

「あ、奈桜さん。いらっしゃい。」

美玖さんは、わたしを見つけても手を離そうとはしなかった。


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