同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~

12.向坂陽輝

奈桜…

よっぽど…水沢を殴りに出て行ってやろうかと思ったけど…できなかった。

奈桜が…休んでたと会社に戻って聞いたときの衝撃と言ったらない…

直行で出てて、いつもなら異変があればすぐLINE流してくれる輝も出張中で、会社に夕方戻るまで知らなかった…

なんで俺に何もLINE入れてねーんだ…
バカ…

会社に戻った時に吉武裕理改め中森裕理に

「知らないの?あんたら大丈夫?」

って呆れられたとこだ。

大丈夫じゃねー…
ような気がする…

だいたいなんで最近あんな素っ気無いんだ…と思う…

昨日だって…1人で帰って寝ろとか…
せっかく一緒に帰れた日に…

そりゃ前日までイチャイチャしてたし…俺が…がっつきすぎなのかもだけど…

けど…体調悪かったのが心配だったし…
やっぱ強引に奈桜の家いくべきだったのかな…

それでいてもたってもいられなかった俺は…早々と仕事を切り上げ、奈桜のマンションに向かった。

そしたら…
水沢が奈桜を…道端で…抱きしめていたってわけだ…。

そのあとすぐ離れて去っては行ったけど…
俺は奈桜を追いかけることはできなかった…

体調悪くても俺にLINEも送ってくれない奈桜に…強引に…押しかけて…拒否されるのが怖かった…

自分が…奈桜に…そこまで愛されてるのかわかんなかったし…

どう考えても…俺の方がガッついてて…

それでマンション帰って…
結局奈桜にLINEも電話もできずに俺は…
朝まで眠れない夜を過ごすしかなかった…


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