同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「あーあ。陽輝。また泣かしてんの?」

振り返るまでもない…

「美玖。」

「あんた変わらへんな。いつまで女の子泣かせば気すむん?んでそのたびにまた…」

美玖が言い終わらないうちに…
奈桜が走り出した。

え?!
奈桜!

駅の方向だ。

「うわっ。もう。しゃーないなー。わたしがまた…」

「美玖!悪いけど今お前と話してる暇ない。」

美玖が何やら言っていたけどもうそんなことに、かまってられなかった。

「奈桜!」

俺は奈桜の後を追った。

奈桜は足が速い。
女だけど…
舐めたらまかれる…

あんなか細くなってたって…

そして…俺は結構必死で走って…ちょうど駅に着いた時、奈桜の腕をもう一度ガシッと捕まえた。

「もう離さねー。」

奈桜がはぁはぁと息苦しそうに肩を動かし…

そして…

自分の口を押さえた。

「陽輝…離して」


< 163 / 183 >

この作品をシェア

pagetop