同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「ほんとにほんとに俺がほれた唯一の女…だから…」

奈桜の目を見ると、一筋の涙がこぼれ落ちた。

「一生一緒にいてくれる?俺のことずっと守ってよ。コイツと一緒にさ。」

俺は奈桜のまだひらべったいおなかをなでた。
ここにいるんだよな。たぶん。

「陽輝…」

奈桜は今度こそほんとに泣き出して、俺の首に両手をまわした。

「ごめんね。陽輝。わたし…そんなに思ってくれてるのに…陽輝はまだまだ遊びたいし、子どもなんていらないんじゃないかって…わたしのことも彼女ってだけで結婚なんてみじんも考えてないと思ってた。」

うっうっっと嗚咽を漏らしている。

「わたしもそうだった。」

「え?」

「陽輝の子どもができたらずっと陽輝と一緒にいれるかもしれないって思って…それで避妊しなかったの。」

「マジ?」

「うん。」

奈桜の顔を見た。

涙でぐしゃぐしゃだ。
妊娠したら感情豊かになるのかもしれない。

けど俺は奈桜がそんなふうに思ってくれてたなんてまったく思ってなかった。
俺ばっかだと思ってたから…


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