同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
結局そこだった。
どうあがいてもわたしは向坂の友達でしかなく…
向坂が想い人と両想いになってしまえば、わたしと飲みになんていけなくなる。
向坂はおまえは別だと言ってくれたけど、彼女が嫌だといったら、そっちが優先になるに決まっていて…。

わたしにとってはそれが怖かった。

向坂と友達でもいいからつながっていられる今の状態ですらキープできなくなるのが…

「ならさ。告っちゃえば?」

裕理はサラッと言ってのけるとまるめたパスタを口にパクリと入れた。

「それができないから相談してんの。」

「なんで?言っちゃってふられて今までの関係が壊れるのが怖いって思ってんだろうけどさ。」

裕理はさらにパスタを口に運ぶ。

「こんな関係…一生続くわけないじゃん。」

うっ…。でた…辛辣裕理…。

「どっちかが一生そいとげる相手見つけちゃったらそこで終わんだよ。」

なにも…言えない。

「いつか…どっちかがアクションおこさなきゃなんないんだよ。わかってる?奈桜?」

「そ…そんなこと…わかって…る…」

声が小さくなる。

「わかってないじゃん!もうわたしたち27歳だよ。そろそろはっきりさせなよ。こんなことしてたら年とっておばあちゃんなっちゃうよ。」

結局、裕理に一番まともなこと言われてる…のは心の奥底ではわかってて…
けど、それでも…なんとかして糸一本でも向坂とつながってたいと思ってしまうのがわたしなわけで…。

わたしはぐぅの声もだせず、裕理に怒られて、味のしない高いイタリアンをおなかにおさめた。


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