同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「あ?おまえ、白川に振られたからって、俺に当たるなって。」

「うっせーよ。俺はどうせ、モテねぇよ。いいよな。おまえは。モテモテで。」

それでか…と思った。
白川さんに振られたのか…佐々木。
それでクダまいてんのか…

「佐々木。白川さんはハードル高すぎんでしょ?」

裕理がわたしの横でつぶやいた。

「だねー。」

わたしも相槌を打つ。

そんなこんなで佐々木をみんなでなぐさめつつ…二次会は日が変わるころに終了となった。

「帰ろうぜ。」

裕理と話してると、向坂が知らないうちに前に立ってる。

「え?ああ。うん。」

「え?何?どういうこと?」

裕理の目がちょっとキランと光る。

「方向一緒だからタクシー一緒に乗ろっていってるだけ。」

「方向一緒って…?」

「家近いってこと。」

向坂があくびしながら言った。

「眠たいし、早くかえろ。疲れた。」

そういうとわたしたちはみんなに手をふりその場を後にした。

意味ありげに笑みをうかべる裕理を背後に感じながら…。


タクシーをつかまえ、一緒に乗る。

「ふぁ~。」

向坂があくびをした。

「疲れてんの?」

「さすがにな。こっち戻って2週間。疲れ出てきたかも。」

距離的に30分くらいだったけど、そのうちに向坂がスーッと寝息をたてはじめる。

えっ?! ちょ… 

向坂の寝顔なんてヤバイ…
ドキドキすんじゃん。

長いまつげがふさふさしていて、ちょっとだけ空いた口から規則正しい寝息をスースーはく向坂にわたしの心臓の早鐘は止まらなくなった。

もう…やめてよ。向坂…。


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