同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
高柳と話すと楽しくて何もかもどうでもよくなっちまう。カレシいたって、結婚決まってたって俺と今飲んでるんだし、楽しいし、いいじゃねーか。って…。

「なあ。おまえ、結婚すんじゃなかったの?」

もう本人に聞くのが一番だ!と思って話題をふってみた。

そしたら…

「岳人とは去年の年末に別れてるよ。」

だと?

「は?」

なんだよそれ?
結婚するっていうから俺は…

「だって…そんなことわざわざいうことじゃないし…向坂と2人で飲みにきたのも別れてから今日が初だしね。言う機会がなかったってとこかな?」

「ふん。俺には言う価値もないってか?」

俺の独り相撲じゃねぇかよ。
ばかみたいだろ…。高柳…。

もう我慢できねぇよ。俺…。

かなり酔わせたのは意図的だと言えば意図的かもしれない。
酔ってたら、俺のものになってくれるかなという気持ちがどっかにあったんだろう。

気づけば強引にラブホのベッドの上に高柳を組み敷いていた。

「奈桜…」

無我夢中で女を抱くなんて…。
俺のこと、好きでもない女を…。

それでももう限界で…
奈桜を求めて俺は…恋に溺れた。

奈桜が一度だけ、

「陽輝…」

と呼んでくれた。

嬉しくて死にそうだよ。俺…。


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