同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「なんなんですかー。向坂さんって!かっこよすぎません?」

わたしの横でそう言いながらスケジュール表を見て今日の予定をチェックしてるのは加瀬陽介(かせようすけ)
わたしの2個下で新人の頃からわたしが教育係みたいにしてやってきたできるSEだ。
見た目はイケメンというほどではないが穏やかで柔和な感じで人当りもよく、今流行りの草食系男子っぽいと、ユーザー受けもいい。
今年からわたしの後を追うようにSEになった。
何を教えてもすぐに覚えるし、応用もできる。
頭の回転も早く、たぶんこれからうちのSEの中軸の仕事をやっていく子だと思う。

「あー。みんなそういうけどね。」

わたしはさりげなく答えながらスケジュールをチェックしはじめる。

「高柳さん、同期ですよね?」

「うん。そうだけど?」

向坂を見ると、ひととおり営業部の人たちに挨拶してから、フロアを出るところだった。
大方上の役員たちへ挨拶に行くのだろう。

「へぇ~。同期かぁ…。」

そういうとチラッとわたしを見たような気配があった。

そのあとはすぐに電話がかかってきたりしたので仕事に忙殺されていて、気づけばお昼になっていた。

そうだポパイ行かなきゃ。

会社の向かいのビルの1Fは飲食店街になっていていつもよくお昼に利用する。

和洋中なんでもひととおりはそろってて重宝している。

今日裕理が指定したポパイは洋食屋さんで昼の日替わりが人気だ。
お昼に行くといつも大抵は会社の誰かに会うことも多い。

わたしは裕理と一緒に来るのがほとんどだ。


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