同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「そうなんだ。がんばって。ってもう付き合ってたりすんの?」

「は?今、俺狙うって言ったろ?付き合ってねぇわ。そいつは俺のことなんとも思ってねーし、もう…腹立つほど…俺の片思い…」

「あんたが片思いなんて…あんのね。」

高柳が意外そうに言う。

「うん。俺だって苦労してんだよ。おまえは?好きなやつくらい…いんの?」

聞いてみたら、びっくりする回答が来た。

「い、いるよ。それくらい。わたしだってあんたと一緒だし。」

は?
好きなヤツ…いんの?

俺の中でガラガラと何かが音を立てて崩れ出す。

「片思いってこと?」

「うん。」

「そ。いつから?」

「岳人と別れてからずっとだけど…」

「は?なげーな。3年以上だぞ。」

そしたら、高柳が言った。

「好きな人いんのに、わたしと飲んでて大丈夫なの?狙うんだったら、わたしとサシ飲みしてる場合じゃないでしょ?」

いや…それよりお前に好きなヤツいて、3年も思い続けてるって知って俺は…

「おまえは別だし。だって、友達だろ?好きなやつとか…関係ない。」

友達…に逃げるしかない…。
やっぱり…

「そういうおまえは?いいの?俺と今まで通り飲んでて。」

「いいに決まってんじゃん。だいたい、あんたとはカレシいたって飲んでたんだからね。あんたの場合は好きな人とか…関係ないレベル。」

「だよな。」

やっぱり友達って関係から逃れられない…。
それでも。そばにいたいって俺は…

もう重症の高柳中毒に違いない…。


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