同期に恋してしまったら～友達からはじまる恋ってありますか？～

◇

「高柳さん顔色悪いですよ。」

「え？そう？」

会社に戻るとため息をつきながら座るわたしに加瀬が心配そうな顔を向けた。

「僕も行けばよかったです？なんかバグってたりとかしました？」

「大丈夫。ちゃんと今日の分の調査は終わったから。経理部門の方はバッチリ明日から設計できるよ。」

「ほんとですか？」

なんとなく不審そうにわたしを見る加瀬。

「そっちは大丈夫なんだけどね…お姉さま方に疲れたっていうか…。」

「あー。」

加瀬がPCの方へ顔を向け直した。

「確かにうっとおしそうな人たちいっぱいいましたもんね。」

「うん。」

「高柳さんの苦手そうな人たちでした。」

うんうんとうなずき、PCに何やら打ち込んでいる。

「次は僕も一緒に行きます。明日これ納品したらもうしばらくないんで。僕。」

「うん。そうしてくれると助かる～。」