同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
え…そこ笑うとこ…?
心配していたわたしは、なんとなく罰が悪くて、シュンとしてその場所に立ちすくんでいた。

しばらく笑っていた男性だったが、なんとか笑いがひいたらしく、あらためてわたしに向き直った。

うわっ。まともに見ると超イケメン…。
背は180cmは超えてるだろう。わたしでも見上げないといけないくらいなのだから…。
そして顔立ちは塩顔男子という言葉がぴったりで、切れ長の目元が涼しげだ。
もしかしてこの人…。

「キミは?」

「あ、お世話になっております。みさきシステムの高柳と申します。」

深く頭を下げた。

「ああ。システム入替の件ね。向坂くん。関西ではお世話になったよ。」

やっぱり…。

「あの…もしかして…槙野専務様でいらっしゃいますか?」

「ああ。よろしくね。」

そう言ってポケットから名刺を取り出し差し出したので、わたしもスマホの中から名刺を取り出した。

「やるね。いつも名刺携帯してるなんて。」

「いえ。さきほどは失礼いたしました。急いでしまって…反省します。」

もう一度深く頭をさげると槙野専務がやっぱりククッと笑った。

「キミ、おもしろいね。高柳さん。気に入ったよ。今から15F?」

「はい。配線とシステムの調査です。ちょっとお邪魔いたしますが…。」

「いいよ。ご存分に。」

そう言うと、槙野専務は14Fの奥へ消えていった。


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