同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~


「高柳さん。ちょっといい?」

「はい。なんでしょう?」

マキノ建設の調査が終了し、社内で加瀬と一緒にまとめて今回移行の打ち合わせにやってきた。

詳細の打ち合わせが終了し、片づけをしていたら、専務に呼ばれた。

今回の打ち合わせから専務が入っていらっしゃる。
関西支店にいたのが、お盆明けから戻ってきたらしい。

もともとマキノ建設の大阪支店で向坂が新規受注したのがこの専務のおかげでもあり、向坂を気に入って関東へ戻るなら本社も頼むと依頼した本人でもある。

打ち合わせをしていてわかるのはものすごく頭のキレる人だということ。
回転も速く、洞察力、観察力、統率力…
おそらくすべてにおいて一流だといえるだろう。

今回の本社システム入替もすべて専務が取り仕切るらしい。

「ちょっと上来てくれないかな?」

「あー。はい。」

加瀬を見ると、事務員さんにつかまってパソコンの説明をさせられている。
ほんっとにここの事務員さんはミーハーだわ…。

目の端に加瀬をとらえ、まあいっかと思って、そのまま専務のうしろについていった。
この間専務とぶつかった重い扉をあけた階段をのぼって15Fへスタスタと昇っていく。

マキノ建設は15Fが役員室になっていて、そのはずれにサーバールームがある。ここには常時ほとんど人はいない。

専務はサーバールームへ入っていった。

「ここなんだけど…」

「はい」

サーバールームにはサーバーが10台ほど置かれている。


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