同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「結局、クラウドにしたらここはどうなる?台数は減らせるのか?」

「はい。減らせると思います。少なくとも半分くらいにはなるかと…」

「ほう。」

サーバーは全台調査済みだ。今回のクラウド化でサーバーがいらなくなる業務がたくさんある。

「それなら安心したよ。高柳さんにまかせておけば問題なさそうだな。」

「そう言っていただけるとSE冥利につきます。」

そう言って、ペコリと頭をさげると、専務が突然あばら骨を押さえた。

「お盆前になぁ。どうやらあばら骨を打ったみたいで、まだ痛むんだ。どう思う?」

「へ?」

ってもしかしてこの間ぶつかったのがまだ痛むってことだろうか?
もしかして骨折とか…?!してないよね?!

「専務!それってこの間の?」

あせってわたしが言うと、専務はくすくすと笑いだした。

「ああ。本気で痛いね。どうしてくれる?高柳さん。」

「え?って…。」

その笑いは?

笑いに何の意図があるのかいまいちわからない。

それでちょっと固まっていたら、いっそのこと専務が笑いだした。

「高柳さん。ほんとに気に入ったよ。俺的には…ここで一気にいきたいとこなんだけど…」

え?一気にってどういう…?
よくわからなくてそのまま固まっていたら、上乗せするかのようにわけのわからないことを言われた。

「高柳さんその気なさそうだし…じっくり攻めさせてもらうよ。ってことで、今度飯行こうか。」

「へ?ご飯…ですか…?」

ってもしかして誘っていると…?
専務がわたしを?

「いや…それは…。」

まずいですよね…。
お客様ですよ…。
しかも専務様ですよ…。

あせったまま、固まっていると…
専務の携帯がなった。


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