同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「それで?向坂に久しぶりに会った感想は?」

2人して日替わりを注文して先に来ていたスープをチビチビ飲んでいると裕理が言った。

「うん。まあまあ…いい男だよね…。」

「それだけ?」

裕理もスープをスプーンですくっている。

「それだけって…」

「久々に会ったんでしょ?なんかあるじゃん?」

「うん…って言ってもね…まだ話してないから…あんまりわかんない。」

結局午前中はフロアで見かけることはなかった。
異動の手続きとかもあるから忙しくしてたんだろうとは思う。

「そっか…まあ、じゃあぼちぼちだね。」

と、そこへメインのプレートが運ばれてきたところで、お店に新たな客が入ってきた。

「よぉ!」

2人で入ってきたのは佐々木拓斗(ささきたくと)大西輝(おおにしあきら)
2人とも同期で営業だ。

わたしたちの席が4人がけで空いていたのでお店の混み具合から言ってもちょうどよく、相席になって横に座った。
わたしの横には佐々木が座る。

「俺たちも日替わりで。あっ…大盛りね。」

人懐っこい佐々木が注文して店員さんと仲よさそうに話している。
佐々木って男は、こんな感じで誰とでもすぐ仲良くなるタイプ。
ポパイなんて行きつけだろうから、ほとんどの店員さんとすでに友達になってるに違いない。

「来週あたりやろっかって話しになってる。」

大西がスープを飲みながら話し出す。

「あ!いいじゃん!向坂帰ってきたし?」

「そうそう。」

裕理がいち早く話の内容を察して相槌を打った。


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