同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~

4.向坂陽輝

高柳の好きなやつ…って誰なんだろう?

高柳が3年間思い続けてるやつがいるってことがわかって…

結局岳人って元カレと別れて、俺と1回だけ寝たのは…ただ単に魔が差してただけなのか…それとも好きなやつっていうのの変わりとでも思ってたのか…なんかわからねーけど…
舞い上がってたのは俺だけってことで…。

けど…好きなんだよ。
くそっ…

誰だよ。
3年間も思い続けてもらってる男。
うらやましすぎんだよ。

「おーい。陽輝よー。」

残業中に大西輝が手招きする。

「今日食って帰ろうぜ?」

「あ?忙しいし、まだかかるぞ。俺。」

「俺もかかるからさ。あと1時間くらい。」

「じゃぁ。俺も1時間で終わらせるわ。」



そして、会社の最寄り駅前の小料理屋に寄る俺たち。

同期の中でもコイツが一番、やっぱり仲いい。
ま、大学が一緒だからっていうのもあるかもしれねぇけど。

「おまえ、やっぱやめたの?女遊び。」

「あ?まぁな。」

ああ、悪いか。
一回高柳とやってから、ほかの女とは一切やってねーよ。俺は。

「それって、やっぱ、高柳?」

「……」

答えに詰まる。

そうだ。コイツは、俺が高柳に惚れてるってのを真っ先に気づきやがった。

「おまえ、わかりやすいもん。大学の時みたいにふらふらしてないのは高柳のせいだろ?」

って。


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