同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
んで、高柳が結婚するかもって噂が流れた時に、俺があれまくったときにも心配してくれたのはコイツで…。
まぁいろいろ頼りになる親友ってやつだ。

「あのさ。高柳のことで、加瀬に聞いたことがあって。」

「何?」

そんな改まって言われるとびくびくしちまうだろ。なんだよ。悪いことか?

「マキノ建設行ってんだろ?今。」

「ああ。」

「専務ってどんな奴だ?」

は?専務?

「は…関西支店にいた時に俺が世話になった人で、バリバリできる男ってかんじの…俺なんか及びもつかない…って‥え?」

嫌な予感…

「その人がさぁ。どうやら高柳に御執心だとよ。加瀬によると。」

な…なんだって?

「毎回、打ち合わせの後、役員室に高柳だけ連れてってなんかやってるって言うんだよ。加瀬は。絶対口説いてるって。高柳はいつも役員室から戻ってきたとき、ため息ついてるってさ。なんだろな?」

輝がにこっと笑って俺を見ると、真顔になって言う。

「おまえもいい加減…今の関係なんとかしねぇと。知らないうちに誰かに…ってことになるぞ。

「そ、そうは言ってもな…輝。」

なんだって、専務が高柳を?
いや、充分ありうる。

あの人は俺が関西支店ではじめて大きな受注をあげたマキノ建設の担当者だった。
俺のことを気に入ってくれて、本社に戻ったらマキノの本社も頼むと言ってくれたのはあの人だ。

俺も槙野専務のことは尊敬している。
そんな人が高柳を…?


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