同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~


「向坂さん。ずっと好きでした。もし付き合ってる人いなかったら…付き合ってもらえないかな…なんて。」

社会人になっても全く変わらない。
女というのは、唐突に告白というのをしてくる。

向こうは俺をずっと見てるのかもしれないけど、俺はほとんどそいつを知らない。
だから、返事なんてNOに決まってんじゃん?っていつも疑問に思う。

それに、おまえも俺の何を知ってる?
って思う。

俺がどんな食べ物好きだとか、休みの日は何してるだとか、趣味は何かとか知ってるのかよ?って。

「ごめんね。悪いけど俺、君のこと知らないし。付き合えない。」

そして俺は即刻その場から立ち去る。

「あ、あの…っ」

叫んでいるけど知るもんか。ちょっとでも情をかけたらまた期待を抱かせてしまう。


「向坂さん。すみません。ちょっと教えてほしいんですけど。」

いきなりのドリンクコーナーでの告白を振り切って、デスクに戻ると白川がPC画面を見ながら呼んでくる。

「何?」

「このExcel、ここおかしくないでしょうか?計算式間違ってません?」


< 73 / 183 >

この作品をシェア

pagetop