同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
その瞳があまりにも…澄んでいて…綺麗で…

わたしは…
やっぱりそのまま涙がとめどなく流れてきて…
ボロボロ涙を流したまま

「わたしもだよ。陽輝。」

と言った。


そしたら、向坂は…いや、陽輝は…
めちゃくちゃ、顔をクシャってして笑って…わたしの右手は握ったまま、左手でふわっとわたしを抱きしめた。

「やった。」

「森野さんのとこに行ったんだと思った。」

「バーカ。行くわけねーだろ?金輪際、俺に期待を持つなって言ったんだ。森野に。」

「え?」

顔を上げて陽輝を見る。

「俺には好きなやついるし、森野を送っていくのも今日限りにしてくれって。」

そんなことが…?

「森野、気づいてたよ。俺が奈桜を好きなんだろう?って。最初からわかってたってよ。」

「最初から?」

「ああ。俺おまえのこと、いつから好きだったか知ってる?」

「え?」

「会った時からだし。」

「ウソ?!会った時?って…内定式?」

そしたら、陽輝は

「はぁ~…」

ってため息をついた。

「ほらな…コレだよ。」

「ちがうの?」

「俺ら初めて会ったのいつか知ってる?みさきの最終試験の日だし。」

「え?」

「面接の前、おまえにとっては後、すれ違った時、俺に声かけたの覚えてねー?」

ち、ちょっと待って…?
たしかに…なんか次の人に頑張ってって言った記憶はあるけど…

それが陽輝だったかどうかっていうのは…


< 92 / 183 >

この作品をシェア

pagetop