同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「ごめん…」

そしたら、陽輝はちょっとムスッとして、プイッと横を向いた。

「ごめん…ってば…」

陽輝の顔を覗き込んだら、陽輝がそこにあったマンションの壁にわたしをドンッと押し付けた。

「俺を覚えてない女なんて…おまえくらいだし…」

わたしの両手を陽輝の両手で壁に押し付けたまま、陽輝のちょっと怒った目に見つめられて…ゾクッとする。

そして、徐々に陽輝の整った顔が近づいてきて…

陽輝の唇が…わたしのそれに触れると…
もう我慢できなかった。

今まで心の奥にしまっていた想いがそのまま唇から溢れ出す。

3年前もこうやってキスしたはずなのに…その時の曖昧のままのキスなんかじゃなくて…比べ物にならないくらい、それは甘美で、そして、あったかい…。

キスの先に、確かな想いが感じられる…

「それで?森野さんはどうしたの?」

「気になる?」

陽輝がそれでもキスはやめない。

「うん…」

「じゃ…教えて。奈桜がいつから俺を好きになったか…。」

陽輝のキスは、はげしくて…だんだん体の奥が我慢の限界を迎えつつある…

「ねぇ。陽輝。ウチ…くる?」

「ん…そうだな。いいの?」

「うん…あ…」

「何?」

そうだ…忘れてたけど…

「あ…のね…。なんていうか…」

恥ずかしい…けど…言わないわけには…

「今日は…わたし」

「なに?」

陽輝がちょっと怪訝な顔をしている。


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