同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
「バカか。俺がどんだけ長い片思いを今日実らせたと思ってんだ。そんなもん、エッチなんてできようができまいが…一緒に週末過ごせんなら、関係ない。」

そして、わたしたちは、わたしの部屋に入った。

「で?さっきの質問に答えろよ。」

陽輝は、せまいわたしのワンルームのベッドの前に置いてあるテーブルの前に座ると、わたしを引っ張って隣に座らせた。

それっていつから陽輝を好きだったかってこと…だよね?

「うん。正確なところは。わからない…けど…多分、岳人と付き合ってた時からすでに…好きだったんだと思う。」

陽輝はわたしをまっすぐ見てる。

「岳人と別れたあと、はじめて同期会があったときに気づいたの。陽輝が好きだったんだって。」

そういえば…

「そのときも、森野さんがベタベタ陽輝のこと触りまくってて、なんかムカついて……って…で、森野さんは?」

陽輝はそしたら、ちょっと嫌そうな顔をして言った。

「あー森野な。最後にちゃんとわたしの家に送ってほしい。そしたら諦めるって言うから…あいつ実家だし千葉の近くで遠いらしんだけど、送ってきたんだよ。だし…二次会間に合わなかったんだわ。」

そして、ちょっと申し訳なさそうな顔をする。

「怒るなよ。最後に家に入る前に、アイツにキスされた…」

「え?やだ。」

「俺の方がやだし…気持ち悪くってゴシゴシふいちまったら、アイツ泣きながら家に入って行きやがった。また尾ひれつけておまえになんか言ったら嫌だし、ちゃんと言っとこうと思って。」

「そっか…」

森野さんのことだし…まだ諦めたわけじゃないのかもしれないけど…

もういいや。

わたしは陽輝の胸に顔を埋めた。
あったかい…


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