きらめく星と沈黙の月~番外編~
陽菜はよく私の突発的な誘いに乗ってくれる。


今日も二つ返事で飲みに行くことが決まり、私たちは行きつけのバーで落ち合うことにした。


「まーた星矢の愚痴?飽きないねぇ」


開口一番、陽菜が笑う。


陽菜も地元の大学に進学したから気軽に会える。


陽菜がいなければ今ごろは干からびていたかもしれない。


「碧がテレビに映ってると安心するけど、イライラもする」


少しは連絡してほしいし、私のことも気にかけてほしい。


それなのにあの男は…。


「まっ、あの球団は勝敗に厳しいで有名だからね。練習も相当キツイんじゃない?許してあげなって」


「でもさ…?アナウンサーとにこやかに話してるところとか見ちゃうと、モヤモヤするんだもん」


あいつは昔から変わらず、誰にでも愛想がいい。
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