不純異性交際 -瀬川の場合-

奈美と別れ、家路につく。

カフェでの会話を思いだしてみると、そういえば奈美の"2人目"の話にもなった。

恭ちゃんが1歳になって少しは落ち着いたのか、実家のお母さんの手助けもあって2人目も考えているんだとか。


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「おぉ〜!2人目、頑張ってるの?」

「頑張ってるわけではないけどね(笑)まぁ、授かりものということで…自然に任せてるよ。」


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…そうか。

奈美のところは、"してる" んだ…。


私がもし"自然に任せる"としたら、もう一生子供を授かる事はなさそうだ。
子供を抜きにしても、単純にスキンシップがあることが羨ましい。


奈美の旦那さん、結婚式でしか見た事ないけれどすごく優しそうな人だったなぁ。

そうかぁ、してるのかぁ…。

人に見えないからといって、脳内で惜しげもなく下世話なことを考える。


「はぁ・・・・。」


大きなため息が口から逃げて行った。
そういえばウチは、結婚前からレス気味だったしな。


………って、これじゃあ私がただの欲求不満みたいじゃないか。ちがう、ちがう。

そう思い直すも、頭は勝手に瀬川くんのことを考えてしまう。



家のドアを開け、玄関でまた小さなため息をつく。

瀬川くん、どんな大人になってるかな…


ダメだ、ダメだという思いとは裏腹に、私の下半身はその妄想に震える。

右手でそっと確認してみると、そこはじんわりと生暖かく湿っている。



「……ンッ……」

私は瀬川くんのことを考えながら、大きく痙攣した。
自分でも驚くほど溢れてくるその愛液は、私の右手をてらてらと光らせている。


「はぁ……ん…ッ…ッーー」


立ち上がったまま絶頂を迎えてしまった私は、その場に座り込み息を整える。


はぁっ…はァッ…こんなこと、ダメなのに……



濡れた右手を見ないようにしながらも、私は罪悪感と…これまでにない興奮を感じていた。



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それからは雪崩のように妄想が止まらなくなり、何をするにも下半身を疼かせていた。


いつも下着を濡らしているなんて、誰にも知られてはならない。


同窓会は、もうすぐだ。



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"そういうのは会ってみるとなんか違ったりして、冷めちゃうものだよ。"


奈美の言葉が頭の中でぐるぐる回る。

そうだよね。
こんなの、ひとときのただの妄想なんだ。

そう、空想の恋。


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駅前を早足で進む。


「19時スタートで2時間だから21時までだよね……で、そこから二次会だとして…」


都会ではないためバスの終電は早いし、飲み会が長引いたりしたら…
なんていうことも心配で、今回はビジネスホテルを予約しておいたのだ。

仕事の打ち合わせで遠方に行くことも珍しくはないし、フミもそれに対して何も言わない。
ビジネスホテルの予約も慣れたものだ。





チェックインをして、シングルルームに入る。
時間はもう16時を回っていた。

鏡の前でささっと化粧と髪を直し、気に入っている赤めのリップを塗って早足で部屋を出る。

バラ組で待ち合わせ予定のアップルに向かう途中、同級生のグループチャットが鳴った。

平野からだ。


[参加される皆さん、今日はよろしくお願いします!場所は先日送ったカジュアルバーになりますが、分からない方は駅まで迎えに行きますので連絡ください。]


…本当に、マメな男。
アンナが言っていた通り、幹事にぴったりだ。


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