不純異性交際 -瀬川の場合-
コーヒーを買った2人が戻ってくると、
「ねぇ、いいじゃ~ん。一緒の車で行こうよぉ」
綾香ちゃんが甘えている。
「俺、綾香ちゃんと一緒こわい」
「なんでよぉ~~(笑)」
面白い揉め事をしていて、みんながまた笑う。
「俺運転するし、ミライちゃんとこに乗せて!お願い!」
コウヘイ君が両手を合わせながら私に言った。
「え…別に構わないけど…」
苦笑いで言うと、代わりにサッちゃんとシュウトは瀬川くんの車に乗ることに決まった。
「よし!あと1時間くらいなんで、安全運転で行きやしょー!」
平野の掛け声でみんなは車へ向かう。
瀬川くんと”あとでね”と目で合図をし合ってからコウヘイくんにキーを渡すと、綾香ちゃんがなにやら私を見つめている。
「…綾香ちゃん、大丈夫だよ。助手席すわって(笑)」
そう言うと彼女は喜んで助手席に乗り込んでいった。
あとから来た紗奈は、”どういう風の吹き回し?”という顔をして私を見る。
…
「…ねぇ、どういう事?」
紗奈が私の耳元で聞く。
「なんか打ち合わせのときからこんな調子でさ。綾香ちゃん可愛いけど、コウヘイ君はなかなか手ごわいみたいだね」
2人でクスクスと笑う。
「ちょっと後ろの2人~!こそこそ話してないで俺を助けてよ~~綾香ちゃん怖いんだからあ~」
コウヘイ君は、もはやギャグだと感じるくらいにおちゃらけながら嫌がっている。
「むしろ仲良さそうに見えるけど?(笑)」
紗奈が言う。
「そうでしょ?ほら~コウヘイ君、私たち仲良しだって~♪」
「もうやめてぇ~~」
そんな明るい雰囲気で、お菓子を食べたり歌を歌ったりと楽しい道中だった。
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山道に入ってから15分くらい走ると、キャンプ場の看板が見えた。
オートキャンプも出来る広い敷地らしく、中まで車で入っていく。
先に2台は到着していて、みんなは深呼吸をしたり荷物を運び出したりしている。
「ついた~~!!」
私たちも外へ出ると、街よりもひんやりと冷たく澄んだ空気が頬を突いた。
テントを張る場所のすぐ近くに水場があり、その裏側にトイレもあるらしかった。
「OK、みんな集まったね!
えっと~今日は俺の独断でグループ分けをしてます!
まず、Aチーム!テント張りと、毛布とか寝袋の準備をお願いしまーす。6人用テントを2つね。メンバーは、綾香ちゃんと・・・・・-----
Bチームはバーベキューのための小枝拾いと火起こし。メンバーは俺と、・・・・・---
で、Cチームはカレー作りお願いします!メンバーはミライちゃん、紗奈ちゃん、コウヘイ、瀬川。
以上!
あっちに小川もあるし遊び道具もあるんで、終わり次第好きに遊んじゃってね!では早速、始めましょう~!」
平野がチーム分けしたというそれぞれの名前を呼んでいき、私たちはカレー作り担当らしい。
思いがけず久しぶりに紗奈と一緒に料理ができる事となり、途端に嬉しくなった。
瀬川くんとコウヘイ君は、「俺らがカレー……?なんの役にも立てない自信がある(笑)」なんて言って笑っている。
自然の中で過ごすというのはとても気持ちが良くて、すこぶるやる気が出てきた。